ついに国内でも臓器売買が発覚 ― 2006/10/01 18:54
http://www.asahi.com/national/update/1001/TKY200610010099.html
いずれこういうことが起きることは十分予想されていたことですが、ついに臓器の移植に関する法律 http://wwwhourei.mhlw.go.jp/cgi-bin/t_document.cgi?MODE=hourei&DMODE=SEARCH&SMODE=NORMAL&KEYWORD=%91%9f%8a%ed%82%cc%88%da%90%41%82%c9%8a%d6%82%b7%82%e9%96%40%97%a5&EFSNO=354&PAGE=1&FILE=../htdocs/hourei/cgi-temp/hit/1405120183846.tmp&POS=0&HITSU=3 施行後、初めて摘発されました。
報道を見るかぎり、今回はドナーの女性に対する「支払い」が滞ったために女性が警察に訴えて表沙汰になったとのこと、これがすんなりと支払われていたらヤミのままだったでしょう。そして、そういう売買、とくに腎臓や生体肝では可能性が皆無ではないと思います。
だからこそ、ドナーとレシピエントの関係については医療側が注意しなければならないわけで、上記法律の第11条(臓器売買等の禁止)の第5項には「臓器が前各項の規定のいずれかに違反する行為に係るものであることを知って、当該臓器を摘出し、又は移植術に使用してはならない」とあります。
「知って」が「確認する義務」を伴うのかどうかは判例もなさそうで判断が難しいですが、「妹だ」という患者さんの説明をそのまま鵜呑みにして健康体から腎臓摘出手術を、はたしてしてもよいのかどうか。少なくとも外科医の道義的にはちょっと疑問ではないかと元外科医である私は考えるのです。
「死ぬ死ぬ詐欺 http://d.hatena.ne.jp/ipot/20060319/1142755645 」などという情けないものもあると言われている世相です。移植医療に携わる関係者は、脇を甘くしないようにしなければならないのではないでしょうか。
阪急阪神ホールディングス ― 2006/10/02 22:11
阪急阪神ホールディングス http://www.hankyu-hanshin.co.jp/index2.html がいよいよスタートしました。とはいえ、阪急沿線に住んでいても、いままでとまったく変わりはありません。おそらく阪神沿線でも同じでしょう。いまやどこがどこだったか分からなくなってしまった銀行の合併のときとはえらい違いです。そういう意味では銀行ってやはり金があるのか、無駄と思わないのか、名前やいろいろなもののデザインや整復までも一新していたなあとあらためて思いました。
いっしょになった効果が分かりにくいという声もあるようですが、日常生活にたいへん密接な事業ばかりですから、あまりドラスティックに変えられると影響が大きすぎるに違いありません。統合した昨日から、何年もかけてすこしづつ便利にしていってくださればというのが私の感想です。
高校生のときに馴染んでいた阪神電鉄が、当時はまさか阪急といっしょになるとは夢にも思わなかったもので、ちょっとしたさすがに感慨があります。
AMラジオのノイズ ― 2006/10/03 17:12
訪問診療の車での移動中はラジオを聴いていることがほとんどで、最近はけっこうAM波を聴きます。大阪のタレントさんなどのしゃべりが多くて、運転しながらニタニタしたりという気色の悪いおっさんなのはともかく…。
FMと違ってAMはけっこう雑音や混信を受けます。今日のように違法CB無線と思われるインターフェアは最近では珍しくなりました(違法CBだと思える内容だったのでそう思うのです)が、まだ耳には聞こえない雷を予測できるのはちょっと便利、しかし、電車の踏切などでは電車線の直流によると思われる激しい連続ノイズがあって、内容は全く聞き取れなくなります。
そして、いったいなんのノイズか正体不明というのが、決まった場所で感じるのがすこし気味悪いのです。たしかにPCなどのそばではノイズがありますが、分離帯のある2車線の県道を走っていてザーッと鳴りますと、このへん電磁波だいじょうぶかと、つい周囲に何があるのか見回してみたりします。
とっくにアマチュア無線から脱落した私ですが、やはりいつまでたっても電波については気になるものであります。
オリラジっておもしろいですか ― 2006/10/04 22:09
いま「さんまのまんま」 http://www.mammachan.com/ 特番でオリエンタルラジオ http://mycasty.jp/oriental/ が出ています。いつのころからか、彼らはかなり売れているようですが、おもしろいですか。私はぜんぜんおもしろいと思わないですなあ。少なくとも上方の笑いのセンスではない。
まあオリラジに限らず、最近は「ちょっとちゃうなあ」というお笑いが多くなっていまして、まあべつにどうでもいいことですが、なんとなく抵抗はありますね。
わっと売れてはすっと消えていくお笑い芸人があとを絶たず、テレビという特異な媒体での売れかたには気をつけなくてはならないというような忠告をしてくれる先輩も少なくなっているのでしょうか。
こういうときに天満天神繁昌亭 http://www.hanjotei.jp/ という上方落語の定席がオープンしたのは喜ばしいことで、もうすこしして落ち着いたらぜひ出かけてみたいと思っています。
きれいな街、きたない街 ― 2006/10/05 15:43
訪問診療で市内をあちこち走り回り歩き回っていますと、同じような住宅地、同じような高齢化、同じような生活レベルと思われる街でも、きれいな街ときたない街があるのに気づきます。
道路わきのゴミや落ち葉の放置具合などは、簡単なその見分けの目印になるのですが、やはりきたない街は全体にどんよりとしていたりします。どこがという具体的な地域を書くわけにはいきませんが、街がきれいかきたないかは、住んでいる人たちの民度に関係しているように思えまして、仕事に行くときの「気構え」の違いも必要になると、これは20年ほどの在宅医療の経験からの結論です。
で、正直なところ、きたない街がじわじわと増えているような印象があって、それはこの国の社会がじわじわと変なほうに動いているのと並行しているのではないかと、これはうがちすぎでしょうかねえ。
じつは今夜が中秋の名月 ― 2006/10/06 22:18
東日本はとんでもなくたいへんな天候のようですが、阪神間も午後から強い風が吹いて、ちょっと不気味な雰囲気の宵になっています。しかし、じつは今夜が中秋の名月なのだそうで、お月見といえばまだ残暑がある時期のような印象があるので、ちょっと今年は意外です。ちなみに去年は9月18日だったそうです(「お月見の話」 http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~kazu/tsukimi/newtukimi.html による)。
宵の口に強風に飛ばされてくる雲でしばしば隠れるものの、晴れるととても明るくなる月に、思わずベランダから写真を撮りました。月と街と大阪空港にアプローチする飛行機が写りましたが、写真はまるで「陰陽師」(笑)。
いよいよ秋が深まりますか。
お月見の翌日はいきなり冬の気配 ― 2006/10/07 18:06
朝から北よりの強く寒い風が吹いて、晴れたと思うと冷たい雨、まさに時雨が降ってくるなど、昨夜は「中秋の名月」だったはずが、今日はもう初冬でありました。
台風2ケを併合した形で発達し、東日本をひどく荒らした低気圧が北海道の東に進んで、天気図はまさに西高東低の冬型気圧配置になっていました。西の高気圧の等圧線が混んでいないので、まだ寒さがましなのでしょう。
低気圧がもっと東に行けば、また秋にもどるのだと思いますが、なんとも体調管理が難しい。まあ、暑いのよりは私は好きですが。
臓器移植は二人手術するのですが… ― 2006/10/08 21:54
10月1日の日記 http://wando.asablo.jp/blog/2006/10/01/544348#tb の続きです。
いまどき、手術のさいにはしっかりと説明をして、その説明内容を文書にしたうえ、同意を文書でするのはあたりまえだと思うのですが、それをしていない外科医がいるとはかなりの驚きです。
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20061005p101.htm
新聞報道だけなので即断はできませんが、えてして医療水準というのは地域による格差がありますから、ひょっとしたら宇和島市あたりではまだ手術の説明や同意は口先だけでいいというのが普通なのかもしれません。インフォームド・コンセントという言葉は、都市部では少なくとも表面的、建前上ではもうとっくに常識になっているのですが、地方ではまだまだそんなことは行き渡っていないのかもしれません。
しかし、医師個人が「患者との信頼カンケーだ」と言っても、病院はそれですませてはならないでしょう。今回の術者は同じ市内の市立病院で腎移植のカリスマとされていて、その後新設の徳洲会に移っておられますが、なにか病院と医師との力関係などがあったのでしょうか。
臓器売買があったことに直接関係していないと思いますが、別の点ではやはり元外科医としての私は疑問を持ち続けています。