大飯原発の再稼働2012/04/09 23:29

ずーーっと昔、私が大学生のころだから、昭和40年代の後半。

大飯の1号機は1979年だからそれよりすこし前、私は原発はいややなあと漠然と思っていた。当時はご多分に漏れず右手に「平凡パンチ」左手に「朝日ジャーナル」だったから、どちらかというと左がかっていた。まあ、ハシカのようなもんだ。それでも、なんか体感的に原発はイヤだったのだ。

ところが、その時代はともかく世の中はイケイケだ。それがいずれバブルになるわけだが、アマチュア無線で「原発いやや」というと、おまえの送信機は電気で動いてるんや、いやなら無線なんかするな、とか言われたりしたのだ。いまならそこそこ反論もできるが、当時はまたまだ私も若かったし、読んだ本も少ないし、人の揚げ足のとりかたの練度も低かったし、なにより情報がなかった。

ひょっとしたらそのころから原発(=電力=エネルギー)について、イッパン国民はみんなそうだったのではないか。そのなかで、立地自治体に莫大な金子が投げつけられ続けたわけだ。

いま、電力会社は、その当時と同じように「由らしむべし知らしむべからず」でいいと、気の毒なことに本心から思っておられるようだ。知らしむべそうとしても、いまやイッパン国民の一定の割合のものはは知る手立てを持ってしまったのに、だ。

アマチュア無線ができなくなるかどうかはともかく、原発の運転はじつは必要かもしれないという「余裕のある反原発」である私であっても、しかし、今回の大飯の再稼働の条件は呆気にとられたのだよ。

ベントフィルターの装備や免震事務棟を2015年までに整備するから動かさせてねって、なんなん? それ以外も突っ込みどころ満載ではないか。「えーん、明日から勉強するから今日は寝かさせて」と言うてる受験生レベルの工程表でヨシとするのかねえ、まあどうせ政治もユルユルでなんも考えてないのでしゃーないか。

それにしても、ひょっとしたらいままでにも内緒で琵琶湖を放射能汚染させてたかもしれないのに、なんともイッパン国民のみなさまは優しいんだね。

私はどうせあと20年も生きていないからいいけど、1ヶ月弱前に生まれたうちの孫の将来はどうしてくれるのでしょうか、ドゼウ総理と垂れ耳経産お大臣さま。