花のもとにて春死なむ2012/04/12 23:30

宝塚市雲雀丘のサクラ並木の一例
 
願わくは花のもとにて春死なむその如月の望月の頃 西行

写真は自宅マンションの近所、私の車通勤で朝夕走っている道のサクラ並木だ。

昨年のこの時期は、東日本大震災の記憶が濃く、それよりなによりフクイチの事態に固唾を呑むというので、花を愛でる余裕はなかった。しかし、たった一年で、あの息の詰まるような事態なんかケロリと忘れたように大飯原発を起動するのだそうだ。

それはともかく(というのも忸怩たるものだが)、昨年、この景色を私が見ていたあと、親しい友人、ふるくからの知人、大学の同級生、高校の同窓生、じつに5人が無念の死をとげた。みんな病死だ。みんな無念だったろう。

この年になったので、そういう別れはやむをえないのではあるが、しかしいつ立場が逆になるか分からないところに、私も立っている。

今年のサクラは元気に見られた私だが、来年は見られるかなと思う。あと何年この並木を車で走れるのかなと思う。カウントダウンになった私は、ほとんど怖いものはない。

そういう目で見ると、娑婆で利権に汲々としたり、その圧力に屈している政治屋連中の、なんとアホ面なことよ…。