半世紀前のアルバム2016/09/11 21:47

熊野本宮大社鳥居(1968年)
荷物を整理していたら、昭和43年(1968年)の南紀旅行のアルバムが出てきた。大学2年生になって、大学のある奈良県橿原市から、いまでも最長距離の一般道の特急バスとされている奈良交通のバスで南紀方面に行ったときのものである。この旅行は、いまだに記憶に深く残っている印象の強いものだ。

蛇足ながら、この奈良交通の特急バスは、いまは私の母校のある大和八木駅前からJR新宮駅前までの167キロだが、1968年当時は始発が奈良大仏前であって、その距離はさらに20キロほど長かった。

川湯温泉で1日目を終え、翌日は瀞峡のジェット船にのって新宮泊、3日めにホンダS600のレンタカーを借りて尾鷲へ。さらに最終日には紀伊勝浦方面に行ってキハ82系の特急「くろしお」で帰阪。

写真は当時の熊野本宮大社である。

何年か前の日記に、この当時の本宮大社の印象と、現在のそことの違いについて書いたことがあると思うが、この写真を見るとじつに記憶が正しかったことが分かる。日本全体が豊かになったということにしておくのがいいのか。

熊野市と尾鷲市の間に「矢ノ川峠(やのことうげ)」という難所がある。そこに新しい隧道ができ旧国道の峠道が廃道になるかもしれないという情報があったので、当時の貧乏学生にはじつにしんどかったレンタカーを借りてその未知を走ったわけだが、いまや国道42号線矢ノ川隧道でさえ新たにできた尾鷲熊野道路で過去の道になってしまった。半世紀の変化は激しい。

http://www.cbr.mlit.go.jp/kisei/works/kumanoowase.html

キハ82系の「くろしお」は381系を経ていまや287/9系に代替わりしている。ホンダS600は40年の時間を置いてアバンギャルドなS660になっている。

恥ずかしいので公開はしないが、このアルバムには19歳の私も何枚か写っている。希望を持った医学生であった私なんだが、ね。