ボトルネック2016/12/15 22:44

わたしの訪問診療のエリアは高度成長期にいろいろな開発がなされたところだ。

もともとは田畑やイチジクや里山があったところ。

初期には丘陵部が開発されたが、そのころはまだまだ大規模な開発ができずに棚田のような宅地ができて、それがいま坂道と階段のバリアブルな住宅地になっている。

その後は山の姿を変えるほどの開発がされていわゆる「ニュータウン」(いまやオールドニュータウン)になった。

それとは別に、もともとは田畑を小規模に宅地化されて、しかし道路はもともとは畦道や農道だったところがそのまま生活道路になってしまった、要するに都市計画などないままの宅地が密集した地域も多い。

そういう地域では、もともと狭い道路から枝状に分かれた道路に住宅が密集していて、その中心道路がボトルネックになっている。それが駅前を通るところなどはたいへんである。駅前といっても広場などはまったくない。駅から出たらすぐに狭い道路だ。それも歩道もない。車はすれ違いも難しいうえに、歩行者が多く、自転車がふらふらと走り、電動車いすに乗ったかたも走る。何カ所かは車のすれ違いができないので、ドライバーの判断で譲り合いするのだが、そんなことを無視する高齢者運転者も少なくない。

おそらく。

大きな災害が起きたら被害が集中し、救援にも難渋するだろうなという地域。

わたしは訪問診療のカバンに懐中電灯や警笛などを持っている。出口がボトルネックな地域や低地の住宅密集地で仕事をしているときに大きな地震がきたら助からないかもしれんなと、じつはいつも思いながら診療しているのである。

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