つらかったねえ2017/04/04 21:49

わたしの仕事はいまは医療の最末端でのものであるが、しかしはじめての診察のときには大学病院でのときと同じく患者さんの病歴を聞くことから始まる。最先端医学の施設であろうと、町の片隅の老人ホームであろうと、原則は同じことである。

医者は理科系だとされているが、しかしだからといってコミュニケーション能力が欠如しているようでは仕事はできない。初対面での病歴聴取は、まさにインタビュー技法、取材テクニツクのようなものである、とわたしは思う。ときには「つらかったねえ」と心から思ってしまう病歴聴取もある。

傾聴とか共感とか言葉が言われるが、あまりテクニックに陥ると嫌みになるのは、医療者だけではなく介護関係でも同じだ。

最近はやっとオスキー(*)という訓練が医学教育でも取り入れられてきているが、横で見ていてもまだまだぎこちない。いろいろ経験するしかないのだろう。上から見るような態度なんかは最低である。

(*)OSCE: http://www.cato.umin.jp/02/0601osce_outline.html