ダムの功罪2018/08/25 22:20

日本列島を縦断していった台風20号は、さいわいにも大きな被害は残さなかったようでが、それでもあちこちに迷惑をかけていった。小さなことだがわたしの診療所の水浸しなども台風による大雨が原因である。

そんなところで見つけた記事。

あわや大量放流 七川ダムの運用検証へ - AGARA 紀伊民報
http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=357117

緊張なさっただろうと思う。さいわいにも過酷な決断をせずにすんだのはさいわいであった。同じ紀伊半島では7年前の大水害でダムに関わる災害がおきている。新宮市周辺で大きな洪水被害がでたのは、もちろん紀伊半島全体の激しい雨によるものではあるが、それに加えて電源開発が所有する池原ダムなどが事前放流せずに一気に大量放流したからだということでトラブルになった。

その大水害のときにおおぜいの犠牲者が出た那智谷、そのときの那智勝浦町はすこし西にある太田川の小匠ダムの調整に緊張していて、那智川の異変に気づきにくかったのではないかという話もある(「ドキュメント豪雨災害」稲泉連著、岩波新書)。

わたしの診療圏である猪名川流域では、しばしば一庫ダムの放流のタイミングが話題になっている。ごく最近では平成30年7月豪雨のときも放流具合ですぐ下流の多田院で洪水危険水位を超えた。

同じ豪雨では四国の西予市で肱川上流の野村ダムが放流したために犠牲者を出した。

もちろんダム本体が破壊されるとケタ違いの被害がでることは理解できる(ラオスでたいへんな事故があったのは記憶に新しい)。だから本体が危険になりそうだと下流にあるていどの被害がでることはやむをえないのかもしれない。

しかし、最近の傾向としての雨の降りかたを考えると、ダムの管理も再検討しなければならないのではないかと、ドシロウトの世迷い言ではあるが書き残しておきたい。