紅ショウガの天ぷら2018/08/29 23:05

スーパーに買い物に行っていて、お総菜売場の天ぷらコーナーに紅ショウガの天ぷらがあるとつい買ってしまう。それは大阪の人間にとってのソウルフードである。

最近でこそそれほどひどくなくなったが、わたしの子どものころは紅ショウガを食べると口のなかが紅色に染まったものである。紅ショウガだけでなく、色のついた食べ物の多くで食べたり飲んだりしたものの色がしばらく口に残っていた。

いまから考えるとひどいものである。

オレンジジュースは甘い色水だった。かき氷の蜜はイチゴやパインやといっても甘い水にそれぞれらしい色をつけただけのものだった。それでもイチゴやパインの味がしたので人間なんてエエかげんなもんである。そしてその甘さも砂糖などという高級品ではなく、サッカリンだったりした。糖質ダイエットは先祖返りなのかな。

紅ショウガの天ぷらである。

歯が悪くなった昨今では、紅ショウガの天ぷらを咥えて噛みきることができなくなっていて、お皿のうえでお箸で切って小分けして口に入れる。カプッといけなくなったのはちょっとさみしい。小細工をしていると、紅ショウガからコロモが剥がれたりするが、その剥がれたコロモにも紅色がついていてショウガの風味が残っている。アルコールのアテにはそんなコロモでも美味いのだ。

なんと不健康な…。

でも幼少期から得体の知れない色つき食物を摂取してきていても、わたしはいままだいちおう健康である。もちろん最近は添加物や着色料には気を遣っているが、それは健康に気遣うことのほかに、それ以上にいかにマジメに商品を造っておられるのかという一種の勝手な尺度を自分で当てているだけのことなのだ。

そうそう。

紅ショウガの天ぷらのとなりにアジフライがあると、これもつい買ってしまうのはなぜなのか自分でも分からないのである。