究極の付け届け ― 2006/03/23 22:10
慶応大病院医師、患者の遺産相続・社長に就任、大学が厳重注意 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060323AT1G2300O23032006.html
今日発売の「週刊新潮」に載って、新聞が後追いした感じのことです。まあ、一方的に報道かも知れないので、即断は禁物ですが、しかし事実は事実としてあるようですから、同業者であり、以前から「医者への付け届けはイカン」と主張している私としましては、いやはや「究極の付け届け」と、ある種感激しつつ、朝買ってきた「週刊新潮」の記事を風呂につかりつつ読みました。
私の父は2000年に亡くなりましたが、ずっとお世話になっていた病院への感謝を病院への寄付という形で続けていました。医者個人への付け届けは好ましくないと私がつねづね言っていたことを気にかけていたのかどうか分かりませんが、その病院には病院として寄付を受けるシステムがあったことでそうしていたようです。
つい先日は、大手ゲームメーカーの偉いさんが、某大学病院に数十億の寄付をなさったことがニュースになっていました。
私が勤務医のころ、油断すると患者さんからの付け届けは「ふつうのこと」という慣れになってしまいがちだと、ずっと注意し続けていました。過剰なくらいお断りし続けていたのですが、いつまでたっても「貰って当然」というような風潮があることは知っていました。その極端な形が今回のことでしょうか。ちょっと恥ずかしい。
そういえば、今日、私も付け届けをいただいてしまいまいした。自家製の「いかなごのくぎ煮」と「餅米玄米のお餅」。どっちもたいへん美味。こういうのは、さすがにお断りできません。