二階建て三階建て2021/10/19 21:41

診療所のある川西市は、兵庫県のなかでも高齢化率がトップクラスである。そして、診療所の周囲はその川西市のなかでも高齢化率の高い地域で、65歳以上人口が40%に及ぶところもある。その地区は下町ではなく、昭和4-50年代に開発された「かつての」新興住宅地である。戸建て住宅が多い。

こういう町では、多くのお宅の二階の雨戸が昼間もずっと閉まったままだ。子どもさんたちが独立して、高齢のご夫婦だけの生活になり、おそらく二階を使わなくてもよくなっていたり、あるいは身体的に二階に行けない状態になっているのだろう。

そして、最近は介護認定審査会の資料を見ていると、わたしの世代やそのすこし下の年齢のかたの認定審査で、寝室が三階という記載が増えている。平成になって木造三階建ての家が増え、そのお宅が昭和の時代のご家庭と同じ轍を踏もうとしているのではないだろうか。要介護でなく要支援の状態でも、寝室が三階というのはかなりの負担になりそうだし、階段から転落して骨折という経過も少なくない。

わたしは初めて自分の戸建てを建てるとき、平屋建てしか考えなかった。いまになってそれが正解だったと痛感している。なにしろいまやわたしは介護認定を受けたら要支援1
になりそうなくらいの状態である。身に染みる。