鉄の記憶>天王寺のハチロク2023/06/20 22:24

小学校5年生から大阪の阿倍野で育った。いま阿倍野区役所があるところに地下鉄の車庫があって、地下から上がってきた線路が杭全(くまた)街道を横切っていた。

国鉄関西本線はまだ電化されておらず、天王寺駅構内では貨車の入れ換えに蒸気機関車8620型(ハチロク)が活動していた。竜華には操車場と機関区があった。

天王寺駅東口の近くには関西本線と城東線(いまの大阪環状線の東半分)を跨ぐ橋があって、そこから構内入れ換え作業をするハチロクを間近に見ることができた。橋は北側で折れて阪和線の高架をくぐって北側に抜ける。庚申街道と呼んでいたこの道はいまもある。

阪和線ではまだほとんどの車両が旧阪和電気鉄道のもので、国鉄の形式に統合されていたが、戦前の強豪電車の味を残していた。快速や直行に70系(スカ型)が投入されたのはすこしあとだったか。城東線は73系がメインだったと記憶する。

60年以上前の記憶。