在宅医療への障壁2007/09/04 17:48

 今日は新規の在宅医療対応の患者さんがおひとり退院されたので初診往診し、さらにもうおひとり近々退院される予定のため「地域連携退院時共同指導」のために近くの病院に出向いてカンファレンスをしてきました。

 往診してきた患者さんの場合、地域連携退院時共同指導どころか、事前に診療情報提供書をいただきたいと申し入れしたのに無視され、提供書は退院のときに患者さんに持たせると言われました。在宅医療の場合はいろいろと準備も必要で、初診のときから器材類を用意して持って行かなくてはならない場合もありますので、できるだけ事前の情報が欲しいのですが、そういう配慮は全くしていただけませんでした。

 まあ、この病院は、いちど入院するとほとんど在宅に退院されることがない性格のところですから、要するに不慣れということもあるのでしょうけど(そんなことではいかんのではありますが)。

 出向いてカンファレンスしてきた病院のほうは、主治医をはじめみなさんが時間を作ってくださってそれなりにきちんと情報交換ができたのですが、しかしちょっと専門的な話になりますが、中心静脈栄養のための回路を作ってそこから点滴をしていても、在宅中心静脈栄養法指導管理は決められた種類の点滴をする場合しか保険に算定できず、算定できないと診療所側の持ち出しが過大になって採算割れしてしまうというような、細かい規則については病院側は分からない状況があります。

 厚生労働省は政策として在宅医療を推進しようとしていますが、保険診療にそれなりのいろいろな制約がありますし、病院や介護事業者の無理解などのため、なかなかスムーズに在宅導入できない、そしてその被害は患家および在宅診療所にモロに降りかかるという構図がいつまでもなくなりません。

 今日は疲れました。