牛肉の流通から思うこと2011/07/23 22:40

けっきょく、今日の段階では、沖縄以外の全国にセシウム汚染された牛肉が流通することが分かったようだ。

飼料の稲藁からの内部被曝ということで、なぜ稲藁が危ないと知らせなかったのかとか言われている。しかし、時系列をさかのぼると、それは当然おこるべくしておこったことが分かる。

屋外の稲藁が汚染されているということは、その地域に放射能が降ったことだし、ということはそれだけの空気中への放出があったことになる。311以来、危険な放出はないと言い続けてきた当事者たちは、分かっていても稲藁の危険性を指摘することはできなかったはずだから、これは100%人災である。事故ではなく事件だ。

わが国は、ひょっとしたら健康に住めない国になったかもしれない。私らはいい。どうせ放射能汚染の渦中にいても、それによる健康被害の前に寿命が尽きる。牛肉はほとんど食わないし。

しかし、わが子やその子どもたちはそうはいかない。私の弟の子どもたちが海外に根を張っているのが急に羨ましくなってしまったりする。

一人づつの患者さんの命に、こちらの生活やときに命をすり減らすまでもして対応している私の同業者の、こういう真摯な心意気は、じつは、じつに、空回りだったのか。

ほんと、情けない。

コメント

_ 求菩提 ― 2011/07/24 10:32

おはようございます。

福島原発の爆発直後、米国をはじめ多くの外国政府が福島原発から80km以上離れるよう、在日企業やそれぞれの在日国民に指示を出していた。当時、何をそんなに恐れるのか、そこまでしなくてもと思っていた。しかし結局は彼らの判断が正しかった。

政治主導とか国民の生活が第一とか言いつつも、昔の大本営発表と似て、肝心なことは公表しない。

このままでは本当にかの地で再び暮らすことができるのか、夏休み中に子供たちは転校しはじめているとも聞いた。復旧、復興に携わっている多くの人たちの行動や心情を、ヤスリで逆なでするような政治のすがたが情けない。

_ wando ― 2011/07/25 22:05

いま半藤一利さんの「昭和史 1926-1945」(平凡社ライブラリー)なる大冊を読んでいますが、なんか日本の権力者のサガと、大衆の扇動されやすさを描いていて、今回の震災/原発事故の後始末を予見しているようです。

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