キマロキ2012/02/27 23:01

訪問診療での移動中、車のワンセグテレビで雪国の映像を見ていたら、なぜかとつぜん「キマロキ」という単語を思い出した。

今週末にひさしぶりに竹野(兵庫県豊岡市)の、古くからの馴染みの民宿に行く予定になり、往復の指定券をとろうとe5489にアクセスしたら、けっこう満席だったりして、じゃあ車かな、いやいやまだまだ雪が多くてダメだななどと思っていたあとだからかもしれない。

「キマロキ」。もちろん普通の人たちにはなんのことか分からないだろうし、鉄分のあるかたでも若い人たちはすぐには思い当たらないかもしれない。ましてや、現物を目の前で見たことのある人は少なくなっているだろう。私も遠景では見たことがあるが、写真には残すことができていない。

国鉄時代、除雪のために運転された列車の一種である。

ある程度の積雪だと「ラッセル車」という、先端が尖っていて雪を脇にかきわける、文字通りラッセルする車があった。単線用は舟の先端のような形、複線用はつねに雪を左にだけ飛ばす形。

線路内の雪をプロペラで遠くに飛ばしてしまうロータリー車。そのロータリー車のペアになるマックレー車。これは線路路盤の両側1-2mほどの幅の雪を線路内にかき寄せる仕事。

ほかにもローダー車やジョルダン車というものもあった。

これらはすべて貨車に分類され、形式記号は「キ」。貨車なので動力は持たず、前か後ろに機関車が連結されて運転された。

で、「キマロキ」。蒸気機関車に牽引されたマックレー車が路盤のある程度の幅の雪を線路内にかき寄せ、ほぼ続行運転の、蒸気機関車に押されたロータリー車が線路内の雪を離れたところに吹き飛ばすという仕組みだ。

機関車-マックレー車-ロータリー車-機関車、なので「キマロキ」。

ディーゼル機関車が普及してきて、機関車の前後に除雪装置をつけて自走する除雪列車に置き換わってキマロキも絶滅した。

探してみたら映像を見つけた。
http://videosketch.myhome.cx/sl-sanka/kimaroki/kimaroki.wmv

なつかしい。