情報漏洩2013/12/09 20:55

「特定秘密の保護に関する法律」が与党などの強行な手段によって成立したということでメディアで批判されている。私はこの法律が、反対している人々のいうような危険なものかどうかいまだに判断できていない。私自身の賛否は保留したまま、法律は成立してしまったのだが、たしかに拙速という印象はある。なにか裏に切迫した事情があるのだろうとは思える。その事情そのものが特定秘密になりそうなものなのだろう、きっと。

ところで、いわゆる「守秘」についてだ。

私たち医師は刑法で厳密に守秘義務を規定されている。私は医師になってから40年、当然のこととしてきて、すでに身に染みついている。そういう職種なのだ。にもかかわらずしばしば「いいのか?」と思うような個人の情報を明かしている同業者を見る。

また、私が厳に公開を封印している患者さんのエピソード、これも「匿名にしているから」とか「本人の承諾を得ているから」というので著書に書いたりブログに載せたりしている例が少なくない。匿名でも個人を同定されることは困難ではないし、本人が同意していても任意かどうかは分からない。

情報は、それに接する人数が増えれば増えるほど漏洩の危険が増加する。したがって、真に秘密にすべき情報は、その内容はもちろん存在そのものも秘密にというのが安全であり当然だと思う。

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医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。(刑法第134条の一)

職員は、職務上知りえた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。(国家公務員法第100条の一、地方公務員法第34条の一)

何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。(電波法第59条)
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守秘義務を法律で規定されている職業は他にもある。それらの守秘義務は職業上当然だ。

で、政治家には守秘は義務づけられていない。

あはは、悪い冗談か。