宇和島の腎移植のこと2006/11/04 23:55

メディアの報道だけで脊髄反射的に批判することは避けたいと常々思っているものの、徳洲会宇和島病院の腎移植については、やはり釈然としないことが出てきたようです。

生体腎移植については、原則として親族間に限るという、まあ移植学会のローカルルールで、宇和島のセンセイは所属していないので制限を受けないといえばそうなのですが、昨日から明らかになった「他人の腎臓を移植する」経緯についていえば、これはとてもグレーだと感じます。そのうえ、悪性腫瘍の腎もあったのが事実なら、うーん、あえて言ってしまえば、移植の実績のために諸条件は無視していたのではないかとも思えます。

いきなり多くのマスコミ、とくにテレビクルーに囲まれれば常態ではなくなるのはわかりますが、今回の渦中になっているドクターは、私からみても「ひと昔まえのままの感覚を持った外科医」、つまりパターナリズムが身についたままの医者なのかなぁと感じます。いまの都市部では受け入れられないかもしれない医者のこの感覚、宇和島ではカリスマとして普通だということなのかもしれません。

自分のいる位置がどうなのか、人の生活や命に影響を及ぼす仕事をしている私の同業者は、つねに距離感の把握をしていなければならないのではないでしょうか。