気が滅入ることがある施設の診療 ― 2015/11/16 20:59
診療所を開設してすぐのころに、知り合いから依頼されて有料老人ホーム(特定施設入所者生活介護適用施設)を1カ所だけ訪問している。入居は40名ほどだと思うが、私は現時点で14名ほどを担当しているのだが、ここでのお仕事ではいろいろと気づくことがある。
診療所によって診療のやりかたにかなり違いがあるということ。
前回の診療報酬改定でこの種の施設での診療の点数が激減したが、そのときの対応に如実に出た。詳しくは書かないが、診療報酬点数の減額で医療機関の実入りが減るということは、じつは患者にさんにとっては自己負担額が減るのでいことだということに思いがいたらないのかなあと思ったり… 。
特定施設入所者生活介護適用施設は、介護保険に規定された介護施設たる特別養護老人ホームではない、かといって自費でいい暮らしができる超豪華な老人ホームでもない、介護保険制度のいわば鬼っ子であり、また介護施設のエコノミークラスとも言える。そういう施設に入っておられて、頻繁にご家族が訪れて寂しくなさそうなご老人はともかく、身寄りがなかったり、家族が近寄らなかったり、さらにネグレクトされているのではないかと思えるかたが、視点の定まらない目をして臥床しておられるところを診察していると、ふと急に気が滅入ることがあるのだ。
長年いろいろあってもがんばって生きてこられたあげくがこれなのかという、私が医療を提供しても、それでいいのかという思い。どこまですればいいのかという迷い。
それでもなお政府は箱モノを作ろうとしている。
診療所によって診療のやりかたにかなり違いがあるということ。
前回の診療報酬改定でこの種の施設での診療の点数が激減したが、そのときの対応に如実に出た。詳しくは書かないが、診療報酬点数の減額で医療機関の実入りが減るということは、じつは患者にさんにとっては自己負担額が減るのでいことだということに思いがいたらないのかなあと思ったり… 。
特定施設入所者生活介護適用施設は、介護保険に規定された介護施設たる特別養護老人ホームではない、かといって自費でいい暮らしができる超豪華な老人ホームでもない、介護保険制度のいわば鬼っ子であり、また介護施設のエコノミークラスとも言える。そういう施設に入っておられて、頻繁にご家族が訪れて寂しくなさそうなご老人はともかく、身寄りがなかったり、家族が近寄らなかったり、さらにネグレクトされているのではないかと思えるかたが、視点の定まらない目をして臥床しておられるところを診察していると、ふと急に気が滅入ることがあるのだ。
長年いろいろあってもがんばって生きてこられたあげくがこれなのかという、私が医療を提供しても、それでいいのかという思い。どこまですればいいのかという迷い。
それでもなお政府は箱モノを作ろうとしている。