書類を求めたのはあんたらやろが2015/11/17 22:13

杭データ流用、業界に自主点検の結果報告を指示
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151117-00050124-yom-soci

> 石井国交相は閣議後の記者会見で、「工事がしっかりしていれば、適正性を証明する書類はないがしろにしてよいという風潮が業界にあれば、直ちに是正する必要がある」と述べた。

土木建築の業界の実情は私には知るべくもないが、書類というキーワードには反応してしまう。

医療機関や介護事業所に対する監督官庁のご指導でしばしば言われるのは

「いくらやっていても記録していなければしていないのといっしょです」
「書類が揃っていなければしていないと判断されます」
「決められた書類や記録はぜったいです」

ということだ。もちろんおっしゃる意味は分からないでもない。監督するための根拠としては書類や記録しかないわけだろう。

しかし、私は、そういうことを言われるたびに

「書類や記録がなければやってないのと同じだ」→「書類や記録さえあればやってなくてもかまわない」

と反論したくなる(もちろん口にはしないよ、そんなことをしたらえらいこっちゃ)。

だから、杭データの偽装は、ともかく書類があれば監督官庁なんかどうでもなるという空気だったのだろうなと思うのである。現に、書類が揃っていたので行政にはチェックのしようがないと、予定調和のようにお役所は責任から逃れているではないか。

でも、書類を求めたのはあんたらやろが。その書類が正しいものかの検証をする責任は、提出を義務づけている以上、あんたらにある。検証できないというなら、そんな書類はゴミでしかない。書類さえあれば自分らは免責されるって、いいお仕事なんだね。

医療や介護では、そういうお役所のアリバイ作りのために書類が激増し、その作成に時間をとられて本来業務の時間が減るという笑えないことにどんどんなっている。私らは現場で仕事をしているのだよ、お役所の机の上に置くための書類を作るために仕事をしているのでは、だんじて、ない。

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