介護事業では儲からない2019/04/28 23:15

医療事業に比べて介護事業は参入のハードルは低い。株式会社でも特定非営利活動法人でも事業を始められる。その規制緩和が介護事業の、誤解を恐れずに言うと「エエかげんさ」に繋がっている。

そもそも医療事業とともに介護事業も「保険」で賄われている点で資本主義の入る余地がない。社会主義的なシステムである。

なのにそこで「儲けよう」と考える異業種参入の金の亡者さんたちがいるので困る。介護事業では儲からない。トントンでいければおんのじなのだ。儲からないように制度設計がされているのに、それでもなんとか儲けようとするので現場に無理をさせることになる。

経営者は高級外車に乗って数字を見ながら現場の尻を叩くが、現場の心ある人たちはそれに嫌気がさして退職していく、いまや介護の現場は売り手市場である。欠員を補っても狭い世界なのでブラックな評判のたった施設には有能な人材が集まらない。そこのレベルは悪循環に陥る。そのうち事故をおこしたり利用者と紛争になったりする。

介護事業で儲けようと思ってはいけない。お国は儲けさせないように制度設計をしている。抜け道はすぐに埋められる。

サービス付き高齢者専用賃貸住宅運営も同じだ。部屋を埋めるために無理をして重介護のかたや問題行動の多い認知症のかたを入れていると、おそらく破たんする。

医療事業でもいっしょだが、自らが報酬を生まない経営者は「たんなる穀潰し」だと知るべきだ。