ディオバンの騒ぎ2013/07/31 22:48

勤務医だったある時期から製薬会社との縁をできるだけ避けるようになった私には、今回のディオバンの騒ぎにとくに驚くことはない。まあそんなことくらいあるやろなというのが感想だ。

ちなみに、私はディオバンの降圧剤としての効能は問題はないと思っている。他の降圧剤に比べて脳卒中や心不全の予防に優位に有効だという付加価値についての臨床研究が今回問題になったのだし。

さらに言えば、実は高血圧症の私は、だいぶ前からディオバン80mgを服用していて、それで安定した血圧を維持しており、降圧剤の変更のリスクもあるので今回自分の処方を変える気はない。

しかしながら、ご同業のみなさまには、研究会のあとに情報交換会などというタダ酒宴会があったり、なにかのイベントのときに製薬会社に丸投げしたりという悪弊は再検討したほうがいいと、あらためてご提案を申し上げる。

本気にイベントするなら、そこそこのホテルの宴会場を使わなくても、公的な会議室を借りれば安いものだ。私はお寺での集まりにもシンパシーを感じている。もっとも、そういうイベントでは、自分がいろいろ動かねばならないのはもちろんだ。

ともかく「借りは作らぬ」のが私の矜持。したがって、お上の補助金などももってのほかだ。役所に借りなんか作ったら言いたいことも言えなくなる。業者に作った借りの、挙げ句の果てが論文のデータ改ざんだ。

うちの宗旨は真宗大谷派で、親鸞聖人は歎異抄で「善人なほもつて往生をとぐいはんや悪人おや」、南無阿弥陀仏を唱えれば極楽往生するとされている。だから「そんなことしたら地獄に落ちる」と思って借りを作ることを避けているわけではないのだよ。

なにごとにも借りを作らぬように徹底すれば、とっても楽に生きられるようになる。