無能のレベル2016/06/01 23:20

私の職場は私一人で、つまり、労務や人事とは無縁である。自分が事業をするときは、ぜったいに一人でしかしないと決めていたので、それが実現しているのに満足している。デメリットは、ついつい掃除などが後回しになってしまって、訪問客があるようなときに慌てなければならないことだ。私は人を使うことに向いていないと自分でよく分かっているのだ。

それはともかく。

あちこちの組織のじんわりとした混乱、それはほとんどが人間関係に関するものであり、その結果としてのスタッフの退職という現象なのであるが、そういう話を聞くたびにピーターの法則を思い出す。

「人は昇進を続けると、いつか能力の限界まで到達して無能になってしまう」

昇進を続けた結果、いつかは「無能のレベルに達し」て組織から疎まれるというものである。だから、むやみに昇進してしまってはいけない。自己分析して、自分の能力のレベルがどこかを把握しておくことが身を守ることなのだが、人間、そんなに強くない。つい昇進することに目が眩む。

能力を見きわめて、あるレベルからは昇進ではなく昇給で応じるのがトップとしての正しいやりかただという。

そうやろな。

ピーターさんはさらに「創造的無能」を提言する。

「仕事はできるが昇進させられないように本筋とは無関係なところで無能を演じる」

難しい。

難しいので、私は組織を飛び出した。

幹部スタッフが無能のレベルに達したのにその上司はそれに気づかず、もちろん本人も自覚なく、よって組織がガタガタになってしまっている例は、あちこちにいっぱいあるですよ。