在宅医療にiPhoneで電子カルテ2010/09/07 21:52

 私の診療所は2003年の開業当初からセコム医療システムのユビキタス電子カルテを使っている。開発段階からほんのちょっとだけ関係したことがあったので、アイミツなどもなく、しょうしょう割高のランニングコストだったが迷いなく導入した。

 初期にはいろいろ不便もあったが、ヲタクのような開発スタッフもいて(笑)、いまではいわゆる「クラウド」を先取りしたような、大きな可能性のある電子カルテだと思っている。

 6月にその電子カルテの恒例のユーザー会で、iPhoneで電子カルテをいぢることを開発中というプレゼンがあった。そして、初期からのユーザーであるていどのITスキルがあるユーザーだからか、新機能のリリース前には私にも意見を聞いてくださる一環として、今日、ほぼ実用になると思われる、いわばαバージョンのiPhone
アクセスシステムを見せてくださった。

 いやあ、いい。

 いままで、訪問診療/往診には、診療所で持ち歩き用にプリントアウトした紙を持ち、そこにメモ書きして診療所に帰って電子カルテに入力していた。もちろんラップトップPCを患家に持っていけば、携帯電話にモデム接続してダイレクトに入力することができ、それがこの「ユビキタス電子カルテ」のネーミングの由来でもあったのだが、しかし現実にはラップトップPCはカサが高い、アクセスするまで時間がかかる、そういうデメリットを上回るメリットが感じられないということで、さすがの私もやっていなかった。

 しかし、3G回線を使ったiPhoneで電子カルテにほぼ即座に繋がるという、これはなんなんだ。画期的ではないか。機能を絞って速度重視にしておけば、私はiPhoneだけを持って訪問診療に行ける。

 そのうえ、この開発担当者によると、ブラウザベースだし、もしiPhoneがコケてもAndroid対応にするのもそんなに手間ではないというではないか。

 商売のあまりうまくない会社で、いまの「クラウド」のトレンドの最先端を早くから実現しているのに、なかなかシェアが増えないのがもどかしかった。しかし、iPhone、そしてもう半分対応できているiPad、ちょっとの作業でAndroidに対応できるとは、万歳やな。

 今夜は酒が旨い。さっそくiPhoneの、それも3Gs)の安い端末を明日は探しにいかねば。