1錠800円弱2008/04/12 22:09

 アルツハイマー病の治療薬である塩酸ドネペジルに関する講演を聴いてきました。

 アルツハイマー病の進行を遅らせるということでこの薬は認められているわけですが、今回いままでの倍量のものが発売されて、これを使うとさらに進行が遅くなることは間違いなさそうです。

 とはいえ、それは数ヶ月から数年の遅れらしい。

 この新薬は1錠800円弱します。1割負担で80円ほど×30日で2400円。

 重度のアルツハイマー病にかなり有効だということですが、そういう人たちは介護老人保健施設にもおおぜい入所しておられます。介護老人保健施設は介護保険のマルメ支払いなので、高い薬を出すことは嫌がります。つまり、本来使用すべき患者さんたちに与えられない恐れが多い。

 また、今回の診療報酬改定と後期高齢者医療制度によって始まった「後期高齢者診療料」という外来診療のマルメでも、途中からこの薬を出すと医療機関側にひどく損が出ます。もっとも、後期高齢者診療料なる悪制度は全国的に医師会の激しい反発に会って、たくさんの医師会単位でボイコットの動きが出ているので、これはせめてもの厚生労働省への抵抗かと思っています。もちろん私もその届け出はしません。

http://geocities.yahoo.co.jp/gl/hosp_co

 この塩酸ドネペジル10mg錠がとっても有効だと思うなら、ヘタレ医師会よりもたぶんロビー活動では優位なメーカーさん、なんとかしてくださいましよ。